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長渕剛【巡恋歌】
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長渕剛の代表曲の一つ「巡恋歌」
デビュー直後の剛は、鳴かず飛ばずで一度上京したのものの、しばらくして鹿児島へ帰郷、しかし夢捨てられず、最後の挑戦としてリリースされたのが70年代の巡恋歌。この曲がヒットし、今の剛がいるわけで、彼の中でもこの曲に対する想い入れは強いと以前聞いた事がある。
初代巡恋歌は、抒情的なメロディーに乗せた、当時のニューミュージックフォークの香りがする。全体的に優しいトーンだ。歌詞にしても、女性側からの視点で描かれている。当時の彼の曲は、このようなフェミニズムな歌詞が多かった。しかし92年の盤は、歌詞はそのままに、見事に異なった性格を見せている。激しく掻き鳴らすコードストローク、まるで初期のフィンガーピッキングと「決別」したかのような激しさだ。その後ライブでは主に剛は92年バージョンを採用する事となる。自己の歌声に対してのコンプレックスから、酒を呷り、見事なまでのハスキーボイスを獲得した。その声によって、歌われる女性歌は、また新たな一面を見せ始めた。女性的歌詞と超男性的歌声に変貌した絶妙なコントラストにより、中和され、不可思議に中性的楽曲を生み出す。これに関しては、この頃以来ライブで歌われている、「素顔」や「順子」等にも通ずるが、初期のそれらの楽曲は、見事に変貌を遂げ、当時悪く言えば、女々しさがあった楽曲が、五臓六腑に染み渡るような重みが現れた。
殊に巡恋歌に関しては、ラストの激しくかきむしるコードストローク奏法は圧巻と言わずにはいられないだろう。全身に響き渡るような激烈なストロークは剛の専売特許のようなもの。この曲に限った事では無いが、ラストのコードストロークの時、彼は「ソリャッ!」と叫んでから移行する。これは勿論彼自身に気合を入れるための叫びの面もあるだろうが、自分らに対して「よっしゃお前らいくぞ!」という気合の叫びでもある。この瞬間がたまらなく興奮する。剛自身の恋愛あるいは、人生観によって見事に変貌を遂げたプロトタイプ。一聴の価値あり。




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